あなたの隣は 私の居場所
黒髪で、耳にはたくさんピアスをしていて
でも、どこか爽やかな感じがする男だった。
あたしは、差し出されている手を無視して歩いた。
…けど、
そいつにガシッと力強く腕を掴まれた。
『なんで、俺達が来たと思う?』
あたしの腕を掴んだまま、そいつは笑顔のまま言った。
「はぁ?…知るわけないでしょ」
なんで、あたしなんかを助けたのか…
なんで、そんなことを聞くのかも分からなくて
あたしは、腕を振り払ってまた歩き出した。
ほんとは、感謝しなきゃいけないって分かってたけど…
負けたことが悔しくて、素直にお礼なんて言えるはずがなかった。