私の青春捧げます
「そうか。でも、自分を閉じ込めているのは辛いだろ?」

フワリと優しく笑った担任はゆっくりと穏やかに言葉を返してきた。

『素のオレなんか出せない。信用して無い奴に見せようとも思わない。自分を否定されるより、偽ってた方がマシだ。』


「……オレは信用してくれてるってことか!!」

『既にバレてる奴に隠してどうなる。疲れるだけだ。』

一瞬焦ってしまった。信用など有り得ない、担任の言動に信用できる要素など1ミクロも存在しない。

…なのになぜだろう、話していても苦にならない。

「だったら、俺がお前を吐き出せる場所になってやるよ。俺の前では本当の若葉でいろ。」


本当にコイツは何を言い出すか想像できない。


『…分かった気がするよ。』


「??」

分かってしまった。なぜこんなにもオレは川瀬相手に自分を見せているのか。


担任の言葉には嘘偽りがなく、何より自分を見てくれている安心感があるがらだと。


ポタ、ポタ…―

そう思うと涙が出た。

自分の存在意義
さらけ出せない環境

溜まりにたまったモノが目から溢れ出し。

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