私の青春捧げます
『うっ////』
《何でそんな顔すんだよ。》


今まで意地悪そうな顔で話していた担任が柔らかく笑った。たった数週間でオレの何が分かるのかという反発的な思考とは別に、オレ自身を知ろうとしてくれていることに素直に嬉しく感じてしまった。

『……他の掃除の奴来ねぇな。』

誤魔化す為に話をずらした。

「あぁ、来ねぇよ。今日は掃除しなくて良いって言ってあっから。」

『はぁ!?!?』

「お前と話すきっかけが欲しかったんだよ。」

本当に何を考えているのか読めない。そして、何もかも担任の思い通りに動いているのかと思うとイラっとした。

『話すコトなんてねぇよ。掃除しなくて良いってんならオレも帰る。』

この空間にこれ以上居てはいけないと本能が拒絶する。
担任と向き合うのが怖い。

今まで耐えてきたものをこの人に崩される。

部屋を出ていこうと背を向けた。

「素の若葉が見れたから今日は良い、自分を偽るな。」


………バタン



先公なんか信じない
大人はみんな敵だ

ずっと誰かを信じることを恐れていた

裏切られた時にショックを受けないために


なぜだろう、この時のオレはなんだか信じたくなったんだ。

鬼畜でドSで読めないけど、棚橋 若葉を見つけてくれたアナタを
< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop