私の青春捧げます
最も接触を避けたい悩みの元凶である担任の声が響いた。
この場所が担任の部屋の前だということを忘れていたのだ。

気配を殺してなるべく物音をたてないように担任が諦めるのを待った。

「あれぇ、この鞄は誰のだ?中身を隅から隅まで調べて持ち主に返さないとなぁ。」

《わっ、忘れてた!!!!!》トイレにまで鞄を持ちこむ趣味はない。いつもの癖で扉の前に投げ捨てた。
今更アイツに見られてマズイものなど入っていないが、生理的に受け付けない。

それでも続く自分に聞かせているであろう独り言

「では、失礼しま~す」

『っ!やめろ変態がぁぁぁぁぁ!!!!!!』

ガッターン

「公共物は大切に扱えよ。初めから出て来ればいいものを。よし!俺様を変態呼ばわりした罪は重い。ちっと顔貸せや」

奴はそのままオレの鞄を持って自室へ入って行った。
< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop