いつか、桜の下で…




蝉がうるさくなってきた8月。



新撰組の働きを認められ、守護する土地が多くなったと近藤さんから、隊長に伝えられた。




「それって、江戸も守らなきゃいけねぇってことだよな」


原田は、そう言いながら、深く眉間にシワを寄せている。



「俺達は、幕府の犬に成り下がったってわけかっっ!!!!!!!!
それでいいのかよっ!近藤さんっっ!」



新八の叫び声が響く。




「将軍様に認められんのは、俺も良いと思っているけどよっっ!!!!!
最近の近藤さんは、おかしいんだろうがっ!!!!!!」




新八が、近藤さんに殴りかかる直前。



俺は、間に入った。




「土方、さんっ!!
あんたも思ってんだろうがっ!!!!」





新八の言葉に共感出来ないわけでは、なかった。



俺達は、もともと。


弱い立場にいる奴らを護りたくて、刀を取ったからだ。



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