いつか、桜の下で…
凛
「…草木さん」
陽菜という少女が俺の口をとめる。
その目は、香織と同じく凛としていた。
「ありがとうございました」
けど、香織と違うのは、手が震えてるってとこだ。
この先は、思い出したくねぇのか。
それとも、言われたくはねぇのか。
どちらにしろ、いい思い出じゃねぇよな。
山南さんに、自分が殺されたことなんか。
「ここからは、私の話を少し、聞いてください」
『ここから』?
俺は、驚きながらも頷いた。