いつか、桜の下で…
弐
―…数日後。
学校が終わるチャイムが鳴り、私は久美のところに行った。
「帰ろ?」
そういうと、久美は苦笑する。
「ごめんっ、今日はちょっと…」
「そっか…。気をつけて帰ってねっ」
なぜだか久美は嬉しそうに私を見ている。
「久美?」
「陽菜、なんだか優しくなったね」
「え?」
「あっ、いや!陽菜は前から優しかったけどっ。…なんていうんだろ?」
…もしかして、香織さんの事に踏ん切りがついたから…?
「んー、うまく言えないけどねっ!…あ、私もう行くね」
「うん!じゃあね」
久美は、時計を見て教室を出た。
それから、私は三浦君達と帰る為に、待ち合わせ場所である中庭に向かう。