いつか、桜の下で…
さくらと…。
時
ザァァアァァァアァァ…………
桃色の雨が風に吹かれている。
それは、季節が過ぎて、春になった証拠。
誰かが悩んでいても、止まることを知らない時間。
それは、きっと私達が生きているから。
だから、私達は気付かない間にも大人になっていく。
もう一人の私が教えてくれた。変わらないものは、ごくわずかなものだけだと。
それでも、もう一人の私が変わらないものを信じていたからこそ、150年の時を過ぎてまで、彼女は私と一緒になった。
彼女の願いは、時間が過ぎる中で愛する人に会い、気持ちを伝えること。
最後に彼女の言った言葉は、それを確かなものにさせた。
たった六文字。
でも、その六文字が不器用だった彼女には、今までずっと言えないでいた。
伝えることが出来ない苦しみを歌に綴った。