いつか、桜の下で…



「ねぇ、三浦くん」


「なに?」


「どうして、あの時。
『ごめん』って謝ったの?」


それは―…


「秘密」


“中途半端だった俺が、君の苦しむ姿をただ、見ているだけだったから謝った。”


それだけだったけど、その言葉は、伝えない。


弱い俺を、君に見せたくないから。


…って、沖田総司が聞いたら、また強情だって笑うかな?


それでもいいや。


幸村さんには、今の俺を見てほしいから――…。




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