いつか、桜の下で…


――――――…

「なぁ、香織」

いつものように稽古が終わって…なぜか、お兄ちゃんは私を真剣な眼差しで見ていた。


「刀を持つなよ」


え?


それは、どうゆうこと…?


刀を持つなって、なんで?


「お前は穏やかに生きていてくれ」


あの時微笑んだお兄ちゃんの顔が、なんだか、切なく見えたんだ。


まるで、もう会えないと言っているような。


そんな気がしていた。


私がその理由を知るのは、それからすぐの事だった…。



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