いつか、桜の下で…



入隊を希望すると、平助という男の子が私との対戦を望んだ。


彼の目は、誰よりも真っ直ぐで、凄く綺麗だった。


だけど、どこか迷っている気がした。


『女の子とは戦えない』


さしずめ、そんなとこ何だろうと感づいて、私はその隙を狙った。


こんなに隙が沢山ある人達なら、すぐに騙せる…そう思っていたの。



でも、騙すにはあの人達は、優し過ぎて、優し過ぎたから…



一緒にいて、辛くなった。



私が、この人達を殺すんだと思うと、胸が締め付けられるような痛みを感じた。




< 160 / 162 >

この作品をシェア

pagetop