いつか、桜の下で…
「繋ぐモノになる……」
陽菜は、周りにも聴こえないくらい小さな声でつぶやいた。
ずっと、頭の中で繰り返される歌を、つぶやいた。
どこでこの歌を知ったかなんて知らない。
物心ついた時には、もうすでにこの歌を歌っていた。
誰も、しらないこの歌を。
でも。
陽菜は気付いていた。
もうすぐで、この歌も。
何かを忘れているような喪失感も。
知恵の輪のように。
解けていくことを…。
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