いつか、桜の下で…
家に帰ると、何かが陽菜に飛びついてきた。
「お母さんっ?!」
目を点にさせながら、陽菜は、目の前にいる自分の母親をただ、見ている。
「今日、陽菜が倒れたってきいたわよっ!大丈夫!!?」
こんな慌てよう。
誰かもそうだったと陽菜は思った。
そして、考えついたのは久美、ただ一人。
同時にお母さんにこのことを教えたのも久美だろうと陽菜は、考えついた。
「大丈夫。心配してくれてありがと」
陽菜は、まるで久美をなだめるかのようにそう言う。
「本当に?無理しなくてもいいのよ??」
陽菜から離れたお母さんの目には、少し涙がたまっていた。
みんな、私を心配していた…
そう考えると、胸がチクリと痛んだが、やっぱり嬉しいと陽菜は思った。