いつか、桜の下で…
弐
「ふぁぁあ…」
家に帰った陽菜は、眠気に襲われていた。
図書館で会った山南さん。
それから、三浦爽の事。
蘇ってきた自分の前世の記憶。
今日は、一気に色々な出来事があった。
少し前までの陽菜ならば、今頃、眠気すらなく、一人悩み、疲れていたことだろう。
けれど、陽菜は、爽のおかげで安らぐことが出来ている。
自分と同じように前世の事を思い出している爽と会ったから。
「三浦君…」
陽菜は、微笑み、そうして眠りについた。
それは、何よりも安らかな眠り。