いつか、桜の下で…
「三浦君は京都で何をするの?」
陽菜は、戸惑っていた爽に聞いた。
「会いに行くんだ」
爽は、微笑みながらも真剣な表情でそう言う。
それを言ったときの爽は、少し心、ここにあらず。という感じだった。
「だから、他の日だったら、いけないって言ったの?」
それを聞いた途端。
爽は、今日の中で一番、優しく微笑んだ。
「2月27日の今日なら…って思ったからね」
爽は、どこか嬉しそうだった。
「じゃあ、私は。三浦君がその人に会いに行ってる時にお守り買いに行くね」
「駄ー目♪」
京都の話を持ち掛けてからの爽の口調がおかしい。
そんな気が陽菜を襲った。
まるで、別人のような…。