いつか、桜の下で…
「君も一緒に決まってるよ」
「でも、邪魔になるし…」
「僕がいいって言ってるんだから、大丈夫だって」
…………『僕』?
三浦君は、確か…
自分の事、『俺』って言ってたような…。
「…わ、わかった」
陽菜は、戸惑いながらも小さな声でそう言った。
「そうしたら、幸村さんの用事は、先にしようか」
「え?…あ、うん」
やっぱり、勘違いだよね。
陽菜は、そう思って軽く微笑んだ。
「あ、俺、ちょっとトイレ行ってくる」
澄ました顔で爽は、トイレに行った。
「…余裕ありすぎだよ、三浦君…」
他人から見れば、自分達はデートをしているように見えるんじゃないか?
そう思っているから、今も気を張っている。
それに陽菜は爽を異性として意識していた。