いつか、桜の下で…



「違うっ!!」


…え?



声を張り上げる利人の方に陽菜は、ゆっくり振り向いた。




利人の顔は、今にも泣いてしまいそうなほど、傷付いた顔をしている。






「香織は……っ!
…………いや、少なくとも陽菜ちゃんと香織は違うから」




「……………どうして」




陽菜の思わぬ言葉に利人は、驚いた。




「どうして、利人君なんかにわかるのっ!!!!!!!!!」




頭よりも先に身体が陽菜を動かし、陽菜自身が、今さっき自分が何をしたのかに気付いた時。





利人は、無理しているのを隠しきれないのに微笑んでいた。





「確かに陽菜ちゃんのことは、しらないよ」




利人は、話しつづける。




「だけど、香織のことなら、俺が一番知ってるっ!誰よりも…俺が」








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