いつか、桜の下で…
…きおく。
日の光が、オフィスを照らしていた。
オフィスの中には、二人しかいない。
時が止まっているかのように静かな場所。
「覚悟は…」
男…草木健一は、真っ正面に座っている凜とした女をみた。
「……充分みてぇだな」
健一がそう苦笑する最中、女……陽菜は、静かに頷いた。
「俺は、鬼の副長と呼ばれた土方歳三が見て、感じたものだけを言う。
もしかしたら、これでお前の性格が変わるかもしれねぇが、俺は一切、責任を負わねぇ。
…それでもいいんだな?」
ためらうことなく、頷く陽菜。
すると、健一は、深く息を吸った。
「…俺達は、新撰組だった―――…」