いつか、桜の下で…
道場に行くと、24人の男達に見られてながら、座っている女がそこにいた。
「女子の入隊は認められませんね」
山南さんは、厳しい声でそう言い、その通りだと誰もが思っていた。
すると、女は立ち上がる。
凛とした表情。
真っ直ぐ伸びた背筋。
そして、
「女だからと、甘く見ないで下さい」
威勢が良い声。
既に覚悟は出来ている。
と言ったところか。
女にしては、気の強い奴だ。
そう思った。
近藤さんも俺と同じことを思ったみてぇで、その女に木刀を渡した。
近藤さんの行動に周りは、ざわついていた。
そんなこともお構いなしに、近藤さんは、
「誰か、この娘と刃を交えようという奴はおるか!!」
そう聞く。
ざわついていた奴らは、黙りこくっている。
その中で一人が手を挙げた。
「じゃあ、俺が!」
手を挙げたのは、平助だ。
辺りは、またざわつき始める。
「少しは黙ってろ!」
俺のその声で辺りは、また静まり返る。