いつか、桜の下で…






青木香織が入隊してから、一週間が経った。



道場には、毎日、飽きもせず彼女に薙ぎ倒される男どもの情けない声が響いている。



だからこそ、ここにはもう、女だからと香織を蔑む者もいなくなっていた。



むしろ、男しかいないこの環境の中に香織がいることでここも少し華やかになる。



平和だ。


このままでいい。


そう、思えてくるほどに。




だが、俺等にはそう思うことすら、神は許さない。




―――バンッ



近藤さんが、血相を変えて道場のドアを開いた。




八月十八日。





この日を堺に俺等は、血に染まる。



『平和な未来』への人柱になる―――…。






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