いつか、桜の下で…



「はやくっ!刀を取って!」



香織の切羽詰まった声が、聴こえ、隊士は、大きく頷いて、近くにあった刀を拾う。



そうして、敵が少しの隙を見せたその時に香織は、ためらいもせずに敵を斬った。



香織の着物には、赤い血しぶきがついた。



「覚悟ぉぉおぉぉ!!」



すぐ近くでその声が聴こえ、すぐに敵に斬り込んだ。



よそ見をしている場合じゃねぇんだと、思った。






それからも俺達は、自らを血に染めて、戦い続けた。



勿論、今まで一緒だった隊士の何人かは、敵にやられて、死んだ。




結局のところ、幕府軍が勝利を収め、俺達はその栄誉を評価され、幕府から、



「新撰組」



という名をもらった。





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