いつか、桜の下で…
近藤さん、俺、そして隊長であり、新撰組になるより前から、ゆかりのあった総司、永倉、平助、原田、斎藤が集まっていた。
そして、遅れてから、香織も入ってくる。
「香織君、君のことなんだが…」
近藤さんは、言いづらそうに香織に視線をやる。
言えねぇなら、俺が言うか…。
そう思っていたが、
「私がここにいれば、新撰組の規律が乱れるんですね」
そう、冷静に香織は答えた。
「んなこと…っ!」
平助が叫び立ち上がったのをみると、俺は平助を睨む。
平助は、いたたまれなくなったのか、座り込んでうつむく。
「私は、どんなことでも受け入れるつもりです」
やっぱり、肝が据わってやがんな。
俺は、あいつが入隊したときを思い出した。
「近藤局長」
近藤さんを呼ぶ、香織の声は変わらず凜としていた。
それをただ見つめていた近藤さんは、大きくため息をする。
「…香織君、君はどうしたいんだ?」