いつか、桜の下で…
それから、しばらくすると浅葱色の羽織りが俺達に渡され、近藤さんが掲げた《誠》の旗が京都を巡察し始めた。
結果はすぐに現れ、京都で俺達を恐れないものはいなくなり、攘夷達も無駄に動けなくなった。
「…失礼します」
深夜。
部屋で書類に目を通していた俺を尋ねたのは、香織だった。
「お疲れ様です。お茶をお持ちしました」
「ああ、わかった」
俺は、筆を置いて肩をならす。
肩がかなりこっているのか少し動かせばゴキゴキと鳴った。
…最近、こもっているのが多かったからな…。
「肩、揉みますか?」
「…頼む」
愛想のない俺に香織は微笑んだ。
「…土方さんなら、気付いていますよね?」
「なにがだ?」
「私と、平助君のことを」
そうきたか。