いつか、桜の下で…
「原田、山崎、斎藤!てめぇ等は先に行けっ!」
「しかし、副長!」
斎藤の声が聴こえたが、俺は無視し、斎藤達とは逆の方向に走る。
そして、しばらくすると。
池田屋に向かおうとする会浅藩一行が見える。
「新撰組か」
会浅藩の誰かが俺にそういった。
「新撰組副長、土方歳三。池田屋にて、任務を真っ当している最中である」
「だから、我等が今から助太刀致すところ」
…会浅にこの先をいかれては駄目だ。
池田屋では今、隊士が体を張っている。
それを、会浅の手柄になって終わることは、一番最悪なことだ。
新撰組副長として、違う形でもあいつらを守って見せる…っ!