魔王に捧げる物語
「申し訳ありません。見苦しい姿をお見せいたしました………」
出直したスーはシンプルだが品のある水色のシャツと、脚線美を惜しげなく晒したグレーのパンツ姿で登場した。
彼女は美人だ。
そう……、見なかった事にするべきなのだ。
ミラは目の前の食事に集中しようとするが、余りにも色鮮やかに存在を主張するキノコ達にフォークが動かない。
「…………スーが採ってくれたキノコたち?」
「はい、姫様。地元の主婦達に、叱咤激励を受けながら得た品です」
「大変だったね……」
「はい、心構えと装いからご指導いただきました」
「………」
どうすればいい?
主婦がどれほどの猛者かはわからないが、正直なところ安全確認がしたい。
となりに座るニルは、もはや視線さえそれに向かない。
斜め前に控えるイシュは、興味深いものを見るように釘付けだ。
「姫様、どうぞお召し上がり下さいませ!」
これを…………っ!???