魔王に捧げる物語



読めない……。



文字を習った事が一度もなかったからだ。


しかし、その一番下にある印を見て彼女は息を飲んだ。


これ…………っ!!?



覚えのある不思議な百合と蔦が絡まっている印。



それは、彼女の服の下の心臓の上にある何かの印と同じものだった。



思わず手紙を放り投げ、これ以上下がれないのに後退り、両腕を抱いた。


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