魔王に捧げる物語
あまりの言葉に呆然としているミラを置いてニルが立ち上がる。
目を向ける事さえ出来なかったミラを見下ろし、突如後頭部を掴まれグイっと寄せられ、
チュッ
と軽い音がした。
ハッと意識が戻ると、歩き出した彼から平坦な声が届く。
「今すぐなんて言わないよ、覚悟が決まったらね?
俺は部屋の外にいるからゆっくりお休み……」
呼び止めることを出来るはずもなく、ただ彼が消えた場所を見つめる事しかできなかった。
彼の事は好きだ………。
でも、優しさや仕草でそういう事を考えた事はなかった。
彼は魔王である前に“男”だ。
自分とは違う……異性。
意識した瞬間、自分の気持ちがよくわからなくなった……。
結局……今は、どういう結果も出ず一人ポツンと残った部屋で同じ事を考え続けた。
目を向ける事さえ出来なかったミラを見下ろし、突如後頭部を掴まれグイっと寄せられ、
チュッ
と軽い音がした。
ハッと意識が戻ると、歩き出した彼から平坦な声が届く。
「今すぐなんて言わないよ、覚悟が決まったらね?
俺は部屋の外にいるからゆっくりお休み……」
呼び止めることを出来るはずもなく、ただ彼が消えた場所を見つめる事しかできなかった。
彼の事は好きだ………。
でも、優しさや仕草でそういう事を考えた事はなかった。
彼は魔王である前に“男”だ。
自分とは違う……異性。
意識した瞬間、自分の気持ちがよくわからなくなった……。
結局……今は、どういう結果も出ず一人ポツンと残った部屋で同じ事を考え続けた。