魔王に捧げる物語
「騒々しい……何の用?」
っ!!!!!?
視線の先に突如現れたニル。
それほど近くにいないのにミラまでびくっと肩を震わせた。
女も驚いているが、次の瞬間、とろけるようにニルの側に行って、
「まぁ……!運命だわ!!」
とわけのわからない発言をした。
「相変わらずだね………イリス」
イリス………?
どこかで聞いた名前。
頭の中を必死に探し、ハッと閃く。
カルナバル帝国で会った、自分を凄い顔で睨んだ人だと。
わかった瞬間、ドクンと心臓が音を立てる。
柱の陰からは全てはわからないが、話の内容がとても気になった。
一体何故ここへ来たのか?ニルとどういう関係なのか……?
突然不安に襲われた。