魔王に捧げる物語
お風呂から上がると、何かに燃えるスーに捕まり、あっという間に頭から足の先まで仕上げられた。
「姫様、人間の皇女ごときに負けられません!!」
「スー??なんかいつもと違うよ?」
「穏やかでいてはいけません、イシュなんて庭園を丸裸にしそうな勢いで草をむしっておりました」
「激しいのね…」
「姫様にあのような暴言など許されません。
私は聞いた時から燃えるかと思いました」
「嫌だとは思ったけど……スーもイシュも怒ってくれてありがとう。
でも………こんなにきれいにされたら恥ずかいよ」
いえいえ、とスーが微笑み、続きはまた今度にしまさょう、と押し出された。
ソファーに座っていたニルがミラに気づいて立ち上がり、上から下まで見つめられる。
「……すごくいいね、ミラは何でも似合うよ」
「ありがと……スーがしてくれたの」
少し照れながら言うと、チュっと額にキスを落とされた。
「じゃあいくよ」
腕を伸ばされ、躊躇うことなく飛び込むと、ふわりと足が地を離れた。
ギュッと目を瞑る、