魔王に捧げる物語
「エリアーデ…様ってどんな方なの?」
気になって聞くと、二人とも微妙な顔をする。
危ない人………ではないと思うけど。
ミラが考えているとイシュが口を開いた。
「あの方、エリアーデ様は………カイン様の花嫁です。
わたくしどもは遠目でしか拝見したことがございませんが、我々でもあの“美”は寒気を感じます」
「綺麗な奥様………?」
「とてもお優しい方とは聞いたことがあります。異界から出て来た事自体が驚きましたが………」
「イシュ!それは…」
スーがなにやら慌てているがミラはよくわからない。
「ひきこもり………ニルが言ってたよ?」
「「………………」」
「??」
沈黙する二人にミラは首を傾げる。
「と、とりあえずですっ!あの方々は気になさらないとは思いますが、私どもはミラ様が見劣りなど、自尊心が許しません。
どうか、ドレスでお願いします」