魔王に捧げる物語



「うん………?」



迫っては来なくても迫力に負けて頷いた。













桜の花弁のように薄いピンク色が主なドレスは、柔らかい印象でとても可愛らしい。

丈は短いがふわふわな白い下地で、中身の心配はあまりなく、細かいレースが縁取っていた。


襟もふわふわなレースの装飾で金色ボタンで留める。
腰までは割りとピッタリとしているが窮屈さがなかった………。


背中が際どい所まで空いてるせいかもしれない。

上から下に向かって編んでいるため尾骨の少し上くらいでリボンが揺れた。

袖口を留めるボタンも同じく金色で、首元と同じデザインだがとても繊細な花模様だった。



視線を下げて足元にいくと、同じピンク色の大きめなリボンがついて、
歩くのが勿体ないほど綺麗で、折れそうに細いピンヒール。


おそらくニルが用意したものだと思うが…………いつもピッタリすぎるのが謎だ。


最後に丈の長いコートを羽織る、

それは黒かった。




< 167 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop