魔王に捧げる物語
ⅩⅠ
エリーやカイン達とたくさん話し、お土産を貰ってミラ達は帰ってきた。
陽は傾き、湖が色いてその光が反射した古城はとても美しい。
ニルに抱き上げられて、景色を見ながらの外出は本当に楽しかった。
バルコニーから室内に入ると、イシュとスーが走って来た。
「お帰りなさいませっ!!」
「いかがでしたか?」
「すごく楽しかったよ!お土産も貰ったの!」
腕の中からミラが嬉しそうに笑うと、スーが荷物を受け取ってイシュも更に可愛らしく笑った。
「それはようございましたっ!
まもなくお食事の準備も出来ますのでおくつろぎくださいっ!」
ニルに降ろしてもらい、スーと一緒に着替えに行く。
軽く湯に浸かって部屋着に着替える頃にはお腹がペコペコだった。
美味しい食事も済み、ソファーに座るとニルに手招きされた。
隣に座っているというのに何だろう、と考えていると、彼はポンポンと自分の膝を叩く。
「………??」
「膝枕してあげる」
「…………」