魔王に捧げる物語
「なぜ、そんなにとりたいと思う?」
不思議そうに言われて、彼女は例えようのない怒りのようなものを感じた。
どんな風に生きてきたか、
どんな思いをしてきたか、
何も、
何も知らないくせにっ!!
「この印があったから………これがあったから、
独りぼっちだったっ!
これがなかったら、魔女って言われない!もう、閉じ込められたりしなくなるもの!!」
勢いに任せて言い切ったがハッと口をつぐんだ。
怒らせてしまったら………どうしよう。
そーっと伺うが、それらしい気配は感じらず、ほっとした。