魔王に捧げる物語
まるで、夢の中のような芳しい花の香に、
ツルリとした大理石のバスタブがちょこんと置かれて、割りと小じんまりとしたバスルームだった。
それでも、これまでの入浴とは比べものにならない程の豪華さだ。
そーっと覗いた湯船には、溢れるようにたくさんの花達が浮いている。
それに、
湯加減も絶妙………。
まさに最高としか言い様がなかった。
ほくほくした気持ちで上がると、
脱衣所にはすでに着替えが置かれてあり、手早く済ませてバスルームから出た。