魔王に捧げる物語


全身が映る鏡の前で髪の水分を取っていると、後ろにスーが現れた。



「お湯の加減はいかがでした?」


「とてもよかったわ、でも………」



ミラは下を向いて自分の姿を見て、恥ずかしい気持ちになる。


半分以上露出した素足、


明らかに短い裾。


少し動く度に頼りなげに揺れる細かいプリーツ、


何よりっ!


危なげな胸元………。


屈んだらアウトだろう。
もちろんずっと直立というわけにはいかない。


腕は長い袖で、手の方に向かって広がっている。

それはいい、

それはいいんだ………。


可愛らしい淡い緑色、柔らかな生地、それもいい。


でも、長さなどはアウトとしか言い様がない。


「いろいろとよくないと思うの……」



ミラがスーに向き直る、彼女は不思議そうに瞬いていた。

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