魔王に捧げる物語
Ⅳ
眩しい………。
もぞっ
少しだけ寝返りをうって、暗い場所に入り込むと、ふわりとした何かに触れた。
まるで雛鳥の羽毛みたいに気持ちいい。
暖かくはないが、冷たくもない。
目覚める為に体温が上がってきているせいか、余計にそのふわふわが心地よくて仕方ない。
スリっ
もっとそれに近づきたくてすり寄ると、
グイっと腰を寄せられて、
「朝っぱらから大胆だね」
壊滅的なセクシーヴォイスで耳元に囁かれた。
!!!!?
微睡んでいた意識が一気に覚醒し、パッと目を開くと、至近距離にニルの顔があった。
「おはよ」
本人は涼しい顔で挨拶するが、ミラはそれどころではない。
えっ?あっ!?えぇっ!!?
大混乱だ………。
動揺ぶりがおもしろくてニルはついからかう、
「まさぐってたけど」
「やっ!ちが……っ」
「羽、気持ち良かった?」