赤と青。
ガチャ
「「うっ」」
あたしとアカヤがハモるぐらい体育館の中は生徒でうるさかった。
「あなたたちが、亀木葵さんと伊能朱也くん?」
多分あたしたちが卒業して赴任されて来た先生があたしたちに話し掛けてきた。
「そうです」
アカヤは答えないから、あたしが先生に答える。
「今日はよろしくお願いします。この学年、受験生なのに落ち着きない子ばかりで困ってるんです」
高校生に中学生の愚痴言われてもなにも出来ないよ。
あたしは先生に"そうなんですか"と苦笑いで返した。
「だから、あなたたちが高校受験の大切さ、大学進学の厳しさを教えてあげてね」
先生はあたしたちにニッコリ笑うとマイクを持って体育館の中央に向かった。
『皆さん、お静かに。今から、ここの卒業生さんに受験について話しをしてもらいます。
卒業生さんこちらにどうぞ』
あたしとアカヤは先生の隣に歩く。
全体を見渡すと、まだ幼い顔が並んでいる。
あたしもこんなだったんだな・・・―――
こんな時代からあたしはずっとアカヤが好きだったな。
つい懐かしく感じてしまう。