赤と青。
アカヤが笑ってくれた・・・。
「伊能、笑うならちゃんと笑ってあげなさい」
・・・先生、それあたしに失礼でしょ。
でも、先生のおかげでアカヤの笑った顔が見れた。
先生に感謝だね。
「体育館着いたぞ。お前らは生徒から質問されたことに答えるだけでいいから。
まぁ、よろしく頼んだぞ」
先生はそう言うと、職員室に帰って行った。
先生いてくれないんだ。
居てもあんまり使えないから別にいいんだけどね。
「なぁ」
振り返るとアカヤが体育館のドアを開けていた。
「どうしたの?」
「誰もいない」
「え・・・?」
誰もいないって・・・?
不思議に思いながらアカヤの元に行って体育館の中を見ると、生徒なんて誰1人いなかった。
「どういうこと?」
なんでいないの?
「・・・時間間違えたんじゃないか?」
「1時間早かったとか?」
「・・・じゃね?」
じゃあ、1時間どうしよう・・・。
「職員室戻る?」
「・・・別にここにいてもいいんじゃないか?」
「・・じゃあここにいよっか」
「ん」
アカヤは返事をすると、なぜか体育館なのにサッカーボールがあって、そのボールでリフティングを始めた。