赤と青。
ボールがまるでアカヤの体から離れないぐらいリフティングはずっと続く。
「すごいっ」
あたしは興奮しながらアカヤのリフティングを見ていた。
「・・・お前もする?」
アカヤはリフティングを止めるとあたしにボールをパスして来た。
「あたし、スポーツ苦手だから、蹴ってもどこ行くか分かんないよ?」
それでいつも体育でサッカーをすると同じチームの子に怒られたりする。
「俺、引退したけどサッカー部だぞ?どこにボールが行ったって俺が取るから。
だから、こっちに蹴って来いよ」
「う、うんっ」
ドキドキした。
・・・アカヤ優しい目で言ってくれるんだもん。
あたしは、おもいっきりボールを蹴った。
「ちゃんと俺の所に来たじゃん」
「アカヤ・・・」
アカヤが笑ってくれた。
アカヤがあたしに笑ってくれた。
それだけで幸せになれる・・・―――――。
「アカヤ」
「ん?」
アカヤとボールを蹴りあいこできる日が来るなんて・・・
思いもしなかった。