秋
遅刻
集合場所の駅に着くと、
誰の姿も見当たらない。
「遅刻か、」
まぁ毎度の事だから
なれてはいるが
少し不安になる。
俺は坂本 飛斗
(さかもと ひっと)
中学野球部に所属し、
試合や練習には必ずといっていいほど、
遅刻する世の中からみたら
だらし無い少年だ。
そんな自分だから
今日も遅刻してしまい、
そのせいで駅のホームには
スーツ姿のサラリーマン大勢と
野球のユニホーム姿の中学生1人で
埋めつくされていた。