もっと、ずっと。
「はっ?」
<そんな・・・>
ぐいっ
「ふざけんなよ、てめー。なんで俺がガンなんだよ!?!あてずっぽなこと言うなよ!!」
<純也!!離しなさい>
俺はつかみかかった手をようやく離した。
でも残る受け止められない現実。
俺はガンとやらを背負ってこの先生きていかなければならないのか?
「倉本くんにとっては信じたくないことだと思います。でも真実を受け止めなければ前には進みません。また詳しく病気のことについて言います」
と、先生は言い病室を出た。
「母さん。父さんもガンだったよね?それでガンで死んだんだっけ?」
<・・・>
母さんは何にも言わない。
「俺も、死ぬのか?もしかしたら大人にならないうちに死ぬのか、俺?」
涙を流しながら言っても母さんは何も答えない。
ただ聞こえるのは必死で鼻をすすっている音だけ。