もっと、ずっと。
壁に手をぶつける。
自分の手が痛くなるまでやり続けた。
母さんは涙をおもいきり流しながら俺の背中をさすった。
<ごめんね、純也・・・>
「母さん・・・」
<あなたを病気になんてさせちゃって・・・。変われるなら変わってあげたい・・・」
その苦しそうな母の顔を見ると俺もどうしていいか分からず母さんの手を握った。
診察_____
「倉本くん、ここ。これがガンなんです。ガンはすぐに治す治療法はなく、倉本くんは子供ですし進行が大人より早いです。いろんな治療法は試しますが・・・」
「どのくらい・・・」
「ん?」
俺はそっとつぶやいた。
「生きれるの・・・?」
「え・・・」
<何言ってんのよ、純也。先生気にしないでください>
「俺は真剣に聞いてるんだよ!!」
俺の大きな声があたりを静かにした。