もっと、ずっと。



屋上に行くといつもと同じ青い空。
純也がスキだったこの空。
隣には純也はいない。
あんなに人思いだった純也が・・・。



「会いたいよ、純也・・・」



目を閉じ、手を胸にあてた。
あのとき聞いた純也の声。
あれが最後になってしまうの??
そんなの嫌・・・。
ちゃんと話しがしたい。



「行かなきゃ・・・。純也のとこに・・・」



と、言った瞬間私の足が猛スピードで加速した。
分からない、自分がこんなに早く走れるか。
でもね、気持ちが私を加速してるんだと思う。



「あっあかね??」

「ごめん、ちょっと行ってくる」

「行ってくるってどこに??これから授業だよ?さぼるの??」

「・・・ごっごめん、でも行かなきゃ後悔するの!」



タッタッタ



「えっ!?ちょっちょっと、茜!?」

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