もっと、ずっと。



病院___



「よっ!!純也!!っておまえ・・・最近元気ねぇぞ??もしかしてまだ昔の彼女が忘れられないのか??」



翼がからかうように言った。
俺は眉を浮かべた。
翼は「ごめん、ごめん」と言うと、近くにあったいすに座った。



「忘れなきゃいけないって前言ってたじゃん?やっぱ好きなんだろ?その子のこと?」

「・・・」

「純ー也ー?」



翼が俺の顔をのぞき込む。
俺はぷいっと顔を横にした。
翼は違う中学校のヤツだけど、塾で仲が良いので親友みたいなものだった。
もちろん、彼は俺の病気のことを知っている。



「俺・・・あとどれぐらい生きられるのかな・・・」



空を眺めながら俺はつぶやいた。



「そんな悲しいこと言うなよ。そんな悲しいこと思ってたら余計じみょうが縮まるぜ??おっといけないこれから学校だ!!んじゃあな!!」

「おう」



ガラガラッ・・・バタン



翼はいつものように中学校に行けるのに、俺は3年生になる前に中学校を卒業した。
もっとあいつらと、茜と・・・。
楽しく笑い合いたかった・・・。



「屋上・・・行こう」



そう言って俺は一人屋上に向かった。
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