もっと、ずっと。
「俺、前に友達に裏切られたことがあるんだよね~。俺の女と浮気してて・・・」
「それはショックだね・・・」
「・・・いいじゃん。その人はその人。普通にいい人いるんだから声かけてみれば??」
「舞・・・」
舞は真剣な目で言った。
それを見た道重くんは「そっか・・・」と言って自分の席に座った。
「舞・・・?」
「何?」
「さっき、なんであんなこと・・・?」
「あっ・・・。えっとね、あたし。本当は染めてるの、この髪。だから中学の頃はそのことでみんなにいじめられたの・・・」
舞は少し涙を浮かべたが、目をこすってまた話し始めた。
「友達なんて、どうせ形だけの物・・・。そう思ってたけど・・・。違った。一人の女の子が私を助けてくれた」
「そうなんだ」
「でも・・・」
いきなり舞は下を向いた。
「舞?」と言ってのぞき込むと・・・泣いていた。
「交通事故で・・・亡くなった」
「・・・」
「だからもう・・・。誰も失いたくない・・・。茜、ずっといてくれるよね?」