もっと、ずっと。



「俺、前に友達に裏切られたことがあるんだよね~。俺の女と浮気してて・・・」

「それはショックだね・・・」

「・・・いいじゃん。その人はその人。普通にいい人いるんだから声かけてみれば??」

「舞・・・」



舞は真剣な目で言った。
それを見た道重くんは「そっか・・・」と言って自分の席に座った。



「舞・・・?」

「何?」

「さっき、なんであんなこと・・・?」

「あっ・・・。えっとね、あたし。本当は染めてるの、この髪。だから中学の頃はそのことでみんなにいじめられたの・・・」



舞は少し涙を浮かべたが、目をこすってまた話し始めた。



「友達なんて、どうせ形だけの物・・・。そう思ってたけど・・・。違った。一人の女の子が私を助けてくれた」

「そうなんだ」

「でも・・・」



いきなり舞は下を向いた。
「舞?」と言ってのぞき込むと・・・泣いていた。



「交通事故で・・・亡くなった」

「・・・」

「だからもう・・・。誰も失いたくない・・・。茜、ずっといてくれるよね?」
< 156 / 304 >

この作品をシェア

pagetop