もっと、ずっと。



私は舞の思いがけない言葉に大きな声を出した。
みんなは一斉に私たちを見た。



「何の話してるの~~??」

「みっみちしげくん!?」

「翼~。さっきね、茜の好きな人の話してたんだけど~」

「もう舞のバカ!!」



舞はにこっと笑って私を見た。
道重くんは興味ありそうな顔で見る。



「えー何それ~?教えてよ、茜」

「えっ・・・えっ??」

「とぼけても無駄ーー。好きな人って・・・誰?」



えっ、ちょっちょっと・・・。
顔近い・・・。なんか近づいてくるし・・・。


と、その時



「おーいおまえら何してんだー。授業始めるぞー」



先生が私たちに向かって言った。
ふーとため息をつき、一安心。
でも道重くんは




「ぜってー。後で教えろよ?」




と怖い顔で去っていった。
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