もっと、ずっと。




「えっ・・・?」

《何もないままただ「好き」でいるのて寂しいじゃん。だったら今ある恋に希望を持ったほうがいいかなって・・・。親友としてこんなこと言うのはおかしいけど・・・》




それって純也をあきらめろってこと・・・?
そんな・・・。
それがベストな答えなの・・・?



《倉本くんをあきらめるのはつらいと思う。だけどね、倉本くんと会ってもし倉本くんが昔の倉本くんじゃなかったら・・・》



《茜が苦しむだけだよ?》




そっか・・・。そうだよね?
電話ごしで話したあの純也は
もう
昔の純也ではなかった。
あのとき、
苦しくて
寂しくて
すごく心が冷たくなって・・・。
もう絶対こんな思いしたくないって思った。



最初から答えは
すぐ目の前にあったんだね・・・。
純也が好き。
会いたい。
ただそんなちっぽけな思いだけで
生きてきた。
けど・・・
もう無理なんだね。
そんな
単純なことじゃないから。



「明日香・・・」

《ん?》



< 185 / 304 >

この作品をシェア

pagetop