もっと、ずっと。




がしっ



「道重くん・・・?」



道重くんは私に「帰るな」と言って
私の腕を掴んだ。
「どうして?」と私は言った。
道重くんは何もかも分かっているかのように



「純也のこと・・・好きなんだろ?」



と、まっすぐな瞳で言った。
なんで・・・。
なんで・・・。
分かっちゃうのかな、ホントの気持ち。
でも純也は
私のことなんてもう・・・。



「おまえも好きなんだろ?純也?」

「え・・・?」



道重くんは純也に向かって言った。
純也は



「んなわけねぇだろ。早く出てけ」



と冷たい言葉しか言わない。
もうやだ・・・。
居たくないよ・・・。
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