もっと、ずっと。




「あたし、もう大丈夫だから・・・。いきなり来て・・・本当ごめんなさい。これからはいっさい来ないから・・・。




“さよなら”」




「おい、茜!!!」



私は急いでドアを閉めた。
病院を抜け出すと、空は曇って
今にも雨が降り出しそうだった。



ぺたんっ



私は膝をついた。
そして、冷たいコンクリートの上で
私は泣いた。



「せっかく・・・会えたのに・・・。うっうっ・・・」



諦めようとした。
何度も、何度も・・・。
だけれどもあたしの心には
ずっと・・・。
純也の存在があった。




もう、会えない・・・。
そんなの・・・そんなの・・・




「嫌・・・」



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