もっと、ずっと。
そう思っていると、
私の目の前に男の人の手があった。
私はおもわずその人の手を握った。
その瞬間、
体がふわっと浮いて
私は地面の上に立っていた。
私はゆっくり上を向いた。
道重くんだった。
ここまで走ってきたのか、
彼の息は上がっていた。
「なんで・・・?」
「なんでって・・・。心配だったから来たに決まってんじゃん」
「・・・」
私はその後口を閉じた。
道重くんは私の頬を触った。
「泣いたのか・・・?」